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ESで通過する「志望動機」の書き方|例文付きで解説

ESで通過する「志望動機」の書き方|例文付きで解説

志望動機で見られているのは「好き」ではなく「理由」

「御社の理念に共感しました」。この一文から始まるESを、採用担当は一日に何十枚も読んでいます。共感した、惹かれた、成長したい。気持ちはまっすぐなのに、なぜか通らない。心当たりがあるなら、見られているポイントがずれている可能性が高いです。

採用担当が志望動機で確かめたいのは、あなたがその会社を好きかどうかではありません。「なぜ数ある会社の中でうちなのか」「その理由はあなたの過去とつながっているか」。この二つです。リクルート就職みらい研究所の『就職白書2025』では、企業が新卒採用で重視する項目として「自社への熱意」を挙げた企業が73.9%にのぼりました。トップの「人柄」(92.9%)に次ぐ高さです。熱意は見られている。ただし、熱意は「好きです」と言って伝わるものではなく、好きになった理由の具体性で測られます。

ここを押さえるだけで、書き出しは変わります。共感の表明から入るのをやめて、「自分のどんな経験が、この会社のどこに結びついたか」から書く。それだけで、何百枚の中に埋もれない一枚になります。

落ちる志望動機に共通する3つのパターン

通らない志望動機には、はっきりした型があります。

ひとつめは、どの会社にも出せてしまう志望動機です。「成長できる環境」「風通しのよい社風」「人々の生活を支えたい」。聞こえはいいのですが、社名を別の会社に差し替えても成立してしまう。採用担当はそこを一瞬で見抜きます。会社名の部分を隠して読んでも内容が変わらないなら、それは志望動機ではなく感想文です。

ふたつめは、自分の話が一切出てこない志望動機です。事業内容や業界の将来性を丁寧に説明しているのに、「で、あなたは?」が抜けている。企業の紹介文なら公式サイトのほうが詳しい。採用担当が知りたいのは会社の説明ではなく、その会社とあなたを結ぶ線です。

みっつめは、待遇や環境だけが理由になっているもの。「福利厚生が充実している」「在宅勤務ができる」。本音としては大事でも、それを前面に出されると「条件が良ければどこでもいいのでは」と受け取られます。本音は持っておきつつ、ESに書く理由は別に用意する。この使い分けが要ります。

結論・原体験・企業選びの理由・入社後の貢献という志望動機の4ステップを示した図

採用担当が読む順番でつくる「志望動機の型」

迷ったら、採用担当が無理なく読み進められる順番に並べます。型は四つの要素でできています。

まず結論を一文で置きます。「私は〇〇という理由で貴社を志望します」。最初の二行で言いたいことが見えると、読み手は安心して先を読めます。

次に、その結論を支える自分の原体験を出します。なぜその仕事に興味を持ったのか、きっかけになった具体的な場面を一つ。アルバイトでも、ゼミでも、日常の体験でもかまいません。ここが他人と差がつく心臓部です。経験の大小ではなく、そのとき何を感じてどう動いたかを描きます。

三つめが、数ある会社の中でなぜこの会社なのか。ここで初めて企業研究が効いてきます。事業の特徴、他社との違い、その会社ならではの強み。自分の原体験とこの会社の特徴が重なる一点を示せると、「うちでなければならない理由」になります。

最後に、入社後にどう貢献したいかを書いて締めます。やりたいことだけでなく、これまでの経験をどう活かすかまで触れると、働く姿が浮かびます。この四つを「結論→原体験→企業選びの理由→入社後」の順で並べる。同じ材料でも、順番が整うだけで説得力が一段上がります。土台になる自分の経験の掘り起こしは自己分析のやり方|就活で本当に使える手順で先に進めておくと、原体験のパートが書きやすくなります。

例文で見る、通る志望動機・落ちる志望動機

型は分かっても、文章にすると急に難しくなります。同じ会社・同じ人を想定した、落ちる例と通る例を並べます。

落ちる例(メーカー・営業職志望)。

> 貴社は業界をリードする企業で、安定した経営基盤と充実した研修制度に魅力を感じました。成長できる環境で自分を高めたいと思い、志望しました。

会社のどこに惹かれたかが抽象的で、自分の経験がまったく出てきません。「安定」「成長できる環境」はどの会社にも書ける言葉です。

通る例(同じメーカー・営業職志望)。

> カフェのアルバイトで、常連のお客様が「いつもの」で通じる関係を築けたとき、人の生活に長く寄り添う仕事をしたいと感じました。貴社の製品は一度きりではなく、買い替えのたびに選び直していただく必要があります。代理店と二人三脚で長期的な信頼を育てる営業スタイルに、自分の「関係を続ける」やり方が活かせると考えています。お客様の小さな変化に気づく観察力を、貴社の提案営業で発揮したいです。

原体験(カフェでの関係づくり)と、会社の特徴(買い替えを前提とした長期の信頼関係)が一本の線でつながっています。社名を別の会社に差し替えると成立しません。これが「うちでなければ」の正体です。

もう一例、IT企業・エンジニア職なら、独学でアプリを作って友人に使ってもらった体験を原体験に置き、「自分が作ったものが誰かの手間を減らした瞬間の手応え」を、その会社が掲げる「現場の課題を技術で解く」という方針に重ねる。職種が変わっても、組み立て方は同じです。原体験になりそうなエピソードが思いつかないなら、「学生時代に力を入れたこと」例文30選【職種別】を読むと、ありふれた経験でも語り方で見え方が変わるのが分かります。

企業研究の浅さは一文でバレる

志望動機の質は、企業研究の深さでほぼ決まります。そして浅さは、たった一文で露見します。

「業界トップの実績に惹かれました」と書いたのに、その会社が実は業界二位だった。「唯一無二の技術」と称賛したら、競合も同じ技術を持っていた。こうしたずれは、現場を知る採用担当には一瞬で見えます。逆に、IR資料や中期経営計画にしか書かれていない方針、最近のプレスリリースで打ち出した新規事業に触れていると、「ちゃんと調べてきた」と一目置かれます。

ここで近年増えているのが、生成AIに志望動機を丸ごと書かせて、ほぼそのまま提出するケースです。文章は整っているのに、どの会社にも当てはまる無難な内容になりやすく、結果として①で挙げた「社名を差し替えても成立する志望動機」に逆戻りします。下書きや構成の壁打ちにAIを使うのは有効ですが、原体験と企業固有の理由は自分の言葉で埋める。この線引きが通過率を分けます。使い方の是非は就活でAIにESを書かせるのはアリかで整理しています。

そもそも何を軸に会社を選ぶかが定まっていないと、企業研究も志望動機もぶれます。先に就活の軸の決め方|ブレない志望動機の土台で自分の判断基準を言葉にしておくと、複数社の志望動機を書くときに芯が通ります。

企業が採用基準で重視する項目として人柄・自社への熱意・今後の可能性が上位を占めることを示した棒グラフ風の図

書き上げたら、声に出して読み返す

志望動機が書けたら、画面で黙読する前に声に出して読んでみてください。途中で息が続かない一文は長すぎる証拠ですし、自分でも「ふわっとしているな」と感じた箇所は、採用担当にも同じように響いていません。

通る志望動機は、文章のうまさで決まるわけではありません。自分の経験と、その会社を選んだ理由が、誰が読んでも一本の線でつながっているか。そこに尽きます。テンプレートに当てはめて埋めた言葉は、同じ型を使った何百人と区別がつきません。あなたの原体験だけは、世界に一つです。そこを起点に書けば、志望動機は自然とあなたのものになります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 志望動機はどのくらいの文字数で書けばいいですか?
ESの指定欄に合わせるのが基本で、400字前後を求められることが多いです。文字数が決まっていない場合は300〜400字を目安に。結論・原体験・企業選びの理由・入社後の貢献という4要素が入っていれば、長さよりも線のつながりのほうが評価されます。

Q2. 志望動機と自己PRはどう書き分けますか?
自己PRは「自分はどんな強みを持つ人か」を伝える場、志望動機は「なぜこの会社か」を伝える場です。原体験を両方に使うのは問題ありませんが、自己PRは強みの再現性、志望動機は会社との接点に焦点を置くと、役割が重複しません。

Q3. 特に行きたい理由がない会社の志望動機が書けません。
まずはその会社の事業内容や他社との違いを調べ、自分の経験や価値観と重なる点を一つ探します。それでも接点が見つからないなら、志望度はそこまで高くないサインかもしれません。無理に飾るより、応募先の優先順位を見直すほうが時間を有効に使えます。

Q4. 「成長したい」と書くのはダメですか?
それ単体だと、どの会社にも当てはまるため弱くなります。「何のために、どんな成長をしたいのか」「その成長がその会社でなぜ叶うのか」まで具体化すれば使えます。成長は目的ではなく手段として書くと、自分本位な印象も避けられます。

Q5. 同じ志望動機を複数の会社で使い回してもいいですか?
原体験のパートは使い回せますが、「なぜこの会社か」の部分は必ず一社ごとに書き直します。ここを共通化した瞬間に、社名を差し替えても成立する志望動機になり、通過率が下がります。手間はかかっても、企業選びの理由だけは個別に作り込んでください。