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OB・OG訪問のやり方|何を聞けば内定に近づく?

OB・OG訪問のやり方|何を聞けば内定に近づく?

OB・OG訪問は「やった人だけ得をする」活動になっている

説明会では聞けない話が、コーヒー一杯の時間で手に入る。OB・OG訪問の正体は、それくらいシンプルです。なのに、実際にやる学生はそう多くありません。

マイナビの2026年卒大学生キャリア意向調査(2025年5月、有効回答1,983名)では、OB・OG訪問を行った学生は全体の26.8%でした。4人に1人ほど。一方で「興味はある」と答えた学生は45.2%にのぼります。やりたいけれど動けていない人が、これだけいるわけです。

ところが、訪問した人の8割以上が「次の選考に進みたい」と感じたと回答しています。志望度が上がり、志望動機の解像度も上がる。同じ調査では、訪問の結果として「やりたい仕事の具体化ができた」という声が目立ちました。動いた人とそうでない人の差が、エントリーシートや面接の説得力に静かに表れます。

裏を返せば、ここはまだ穴場です。みんながやっていないからこそ、丁寧にこなすだけで一歩抜けられる。やり方さえ押さえれば、難しい活動ではありません。

誰に・いつ会うかで、得られるものが変わる

「とりあえず誰かに会う」では、もったいない。誰に、どの時期に会うかで、持ち帰れるものはまるで違います。

会う相手としておすすめは、入社2〜3年目の若手です。先ほどのマイナビ調査でも、学生が会いたい社員として若手が上位に挙がっていました。理由は単純で、就活していた記憶が新しく、配属後のリアルな一日を具体的に語ってくれるから。役職者の話は会社の方針としては参考になりますが、現場の手触りは若手のほうが鮮明です。可能なら、若手とベテランの両方に会えると視点が立体になります。

時期も大事です。同じ調査では、訪問のタイミングは1次面接を受ける前が55.3%と最多でした。早い時期に会えば、業界研究や志望動機づくりの材料になります。一方、選考が進んでから会うと、面接で詰まった論点の確認や、最終意思決定の後押しに効く。理想は、早めに一度会って土台をつくり、選考が進んだらもう一度別の人に会うこと。同じ会社を二つの角度から見ておくと、面接での発言に厚みが出ます。

OB・OG訪問の時期によって得られるものが変わることを示したタイムライン図

訪問相手の見つけ方とアポの取り方

「知り合いに社会人がいない」。多くの人がここでつまずきますが、ルートは思ったより複数あります。

王道は大学のキャリアセンターや学部のOB・OG名簿です。卒業生の連絡先を管理している大学は多く、同じ学部・ゼミの先輩なら話も早い。次にゼミやサークル、部活の先輩。直接知らなくても、共通の知人をたどれば一人くらいは見つかります。最近はOB訪問専用のマッチングアプリも増えました。ただし見ず知らずの社会人とつながる以上、面談場所はカフェなど公共の場所を選び、個人情報の扱いには気をつけてください。

アポを取るときは、最初の連絡で用件を完結させます。名乗り、どこで連絡先を知ったか、なぜその人に話を聞きたいのか、希望の所要時間(30分から1時間)と候補日を二、三入れる。相手は仕事の合間に時間を割いてくれる立場です。日程は複数提示し、相手が選びやすいようにする。返信が来たら、当日までに会社のことを最低限調べておく。ここを怠ると、せっかくの時間が会社案内の読み上げで終わってしまいます。

内定に近づく質問、調べれば済む質問

OB・OG訪問の成否は、質問の質でほぼ決まります。やってはいけないのは、調べればわかることを聞くこと。「御社の事業内容は?」と聞いた瞬間、準備不足が伝わります。

聞くべきは、検索しても出てこない一次情報です。たとえば「入社1年目で一番つまずいたのはどんな場面でしたか」。仕事のリアルな難所が見えます。「配属はどう決まりましたか、希望は通りましたか」。キャリアの実像がつかめます。「この会社を選んで、入る前と後でギャップはありましたか」。これは志望動機を磨く最高の材料になります。さらに「私のような学生が活躍するために、学生のうちにやっておくといいことは何ですか」と聞けば、相手はあなたを応援したくなる。

逆質問の準備に通じる発想なので、面接対策とも地続きです。志望動機を言葉にする段階で材料が足りないと感じたら、ES(エントリーシート)の志望動機の書き方を先に読んでおくと、訪問で何を埋めたいかが明確になります。聞いた話は必ずメモに残し、「誰の・どんな言葉だったか」まで記録しておく。この一次情報が、後の面接で「先輩の〇〇さんから伺ったのですが」という、あなたにしか言えない一言に化けます。

評価を落とすマナー違反と、お礼の作法

OB・OG訪問は選考ではない、と言われます。それでも、社員が抱いた印象が人事に共有されることは珍しくありません。最低限のマナーは、評価というより信頼の土台です。

時間は厳守。5分前には着く。私服可と言われても清潔感のある服装を選ぶ。相手が忙しい中で時間をくれていることを忘れず、会話の主導権を握りすぎない。やりがちな失敗が、用意した質問を一方的に消化していくことです。会話は相手の答えを受けて広げるもの。沈黙が怖くて質問を詰め込むと、ただの取材になってしまいます。

そして訪問後。当日中、遅くとも翌日午前までにお礼のメールを送ります。テンプレートのコピペではなく、印象に残った話を一つ具体的に書き添える。「配属の希望が通った経緯のお話が、自分の不安をほぐしてくれました」のような一文があるだけで、相手の記憶に残ります。面接で社員と会う場面に備えるなら、自己紹介の組み立て方を扱った面接の自己紹介で差をつける話し方も合わせて読んでおくと、初対面での印象づくりがうまくなります。

現場でしか聞けない質問と調べれば済む質問を振り分ける比較図

訪問は「答え合わせ」ではなく「種まき」

OB・OG訪問を、志望動機の答え合わせだと思っている人が多い。でも本当の価値は、まだ言葉になっていない「働くイメージ」を、自分の中に育てることにあります。

データが示すとおり、やっている人は4人に1人。だからこそ、丁寧に一人に会うだけで景色が変わります。調べれば済む質問を捨て、現場の人にしか聞けないことを聞く。聞いた話をメモに残し、お礼で関係をつなぐ。

選考が始まる前の、何でもない平日。その30分が、半年後のあなたの言葉を確実に変えます。気になる会社が一つでもあるなら、まず一通、連絡を送ってみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. OB・OG訪問はやらないと内定できませんか?
必須ではありません。マイナビの2026年卒調査でも、実際に行った学生は26.8%にとどまります。ただし行った人の8割以上が「次の選考に進みたい」と感じており、志望動機の具体化に効きます。やれば有利になりやすい活動、という位置づけです。

Q2. 何人くらいに会えばいいですか?
同じ調査では平均訪問人数は5.0人でした。ただ数より中身です。本命の会社で若手とベテランに一人ずつ、計2人に会えれば十分に効果があります。手当たり次第に増やすより、聞きたいことを準備して臨むほうが価値が出ます。

Q3. どんな人に会うのがおすすめですか?
入社2〜3年目の若手が有力です。就活の記憶が新しく、配属後の一日や入社前後のギャップを具体的に語ってくれます。可能なら役職者にも会い、現場と方針の両方の視点を持っておくと面接での発言に厚みが出ます。

Q4. 会う時期はいつがいいですか?
マイナビ調査では1次面接の前が55.3%と最多でした。早い時期は業界研究や志望動機づくりに、選考が進んでからは論点の確認や意思決定の後押しに役立ちます。早めに一度、進んでからもう一度の二段構えが理想です。

Q5. お礼のメールは必要ですか?
送りましょう。当日中か翌日午前までが目安です。定型文ではなく、印象に残った話を一つ具体的に書き添えると、相手の記憶に残ります。選考で社員と再会する可能性もあるため、丁寧な対応が信頼につながります。