結論:転職者の約6割が年収アップ。上がる人は平均で約72万円増えている
「転職したら年収はどれくらい上がるの?」という問いに、まず数字で答えます。
転職サービスdoda(パーソルキャリア)の調査では、転職した人のうち約6割(59〜60%前後)が転職後に年収アップを実現しています。そして、年収が上がった人だけを見ると、その平均増加額は約72万円です。
ただし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。転職者「全体」の平均増加額は、月によって変動しますが+8万円前後にとどまります。つまり、上がる人は大きく上がり、下がる人もそれなりにいる。平均値は両者をならした数字だということです。
この記事では、業界別・年代別の傾向を見ながら、「自分はどれくらい上がりそうか」を現実的に見積もれるようにしていきます。
そもそも「全体平均」と「上がった人の平均」は別物
年収アップの話で最初に押さえてほしいのが、2つの平均の違いです。
- 転職者全体の平均増加額:+8万円前後
- 年収が上がった人だけの平均増加額:約72万円
なぜこんなに差が出るのか。それは、転職者の約4割は「横ばい」か「ダウン」だからです。年収を下げてでもやりたい仕事に就いた人、ワークライフバランスを優先した人、未経験職種に挑戦した人などが、全体平均を押し下げています。
逆に言えば、「年収を上げる」という目的を明確に持って動いた人は、平均72万円という大きな伸びを得やすい。あなたがどちらを目指すかで、見るべき数字は変わります。
業界別:上がりやすいのはIT・通信、メーカー、商社
業界によって、年収の上がりやすさには明確な差があります。
dodaのデータでは、転職後に年収が増えた人の割合が高い業種は、IT・通信(約69%)、メーカー(機械・電気、約64%)、メーカー(素材・化学・食品など)、商社が上位の常連です。職種別では、エンジニア(SE・インフラ・Web)やクリエイティブ職、企画・管理職で増加割合が高くなっています。
背景にあるのは深刻な人材不足です。とくに生成AIやクラウドを扱えるエンジニアは需要が供給を大きく上回っており、決定年収も押し上げられています。業界全体の決定年収はこの6年で約40万円上昇しました。
「どの業界に行くか」は「いくら交渉するか」より先に効いてくる要素です。詳しくは年収が上がりやすい業界・下がりやすい業界ランキング2026でまとめています。

年代別:20代は上がりやすく、40代は二極化する
年代によっても、年収の動き方は変わります。
20代は最も年収を上げやすい層です。ポテンシャル採用の対象であり、未経験業界にも飛び込めるため、決定年収はこの数年で2桁%伸びています。「まだ実績が少ないから不利」と思い込む必要はありません。
一方で40代以降は二極化します。転職で年収が下がる人も少なくない反面、専門性やマネジメント経験が評価されれば800万円以上のレンジに乗る人も増えています。40代の年収戦略については別記事で詳しく扱いますが、ポイントは「実績を数字で語れるか」です。
同じ転職でも「上がる人」と「下がる人」を分けるもの
同じ業界・同じ年代でも、結果は人によって大きく違います。差を生むのは次の3点です。
- 市場価値を把握しているか:相場を知らずに低い提示を受け入れてしまう人は上がりません。
- 実績を数字で示せるか:「頑張った」ではなく「売上前年比120%」「コスト30%削減」と語れる人が評価されます。
- 交渉をしたか:提示額をそのまま飲むか、根拠を持って交渉するかで数十万円変わります。
特に3つ目は見落とされがちです。交渉といっても駆け引きではなく、「自分の貢献を正しく伝える」だけ。やり方は「年収交渉」はどこまで言っていい?成功する人の伝え方で具体的に解説しています。

年収を上げたいなら応募前にやるべき3つのこと
年収アップは、面接本番ではなく準備段階でほぼ決まります。応募前にやるべきは次の3つです。
- 自分の市場価値をリサーチする:同じ経歴の求人を10件ほど見て、年収レンジを把握する。
- 実績を数字に翻訳する:職務経歴書に載せられる定量的な成果を5つ書き出す。
- 希望年収の「下限」を決めておく:これ以下では受けない、というラインを先に決める。
この3つをやるだけで、提示額の見え方が変わります。実際に年収100万円アップを実現した人の動き方は転職して年収100万円アップした人がやった3つのことにまとめました。
職務経歴書に数字を入れる作業は、AIで下書きを作るとぐっと早くなります。たたき台を作ってから整える流れがおすすめです。
まとめ:平均に一喜一憂せず「自分のアップ額」を設計する
転職での年収アップは、「約6割が成功・上がった人は平均72万円増」というのが現在地です。ただし全体平均は+8万円前後で、上がる人と下がる人の差は大きい。
大切なのは、平均値に振り回されないことです。上がりやすい業界を選び、実績を数字で示し、根拠を持って交渉する。この3つを押さえた人が、平均を超えるアップ額を手にしています。
まずは自分の市場価値を求人で確認するところから始めましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 転職すれば必ず年収は上がりますか?
いいえ。年収が上がるのは転職者の約6割で、残りは横ばいかダウンです。上げたいなら「年収アップを目的にする」という意思決定と準備が必要です。
Q2. 年収が上がった人の平均アップ額はいくらですか?
dodaの調査では、年収が上がった人の平均増加額は約72万円です。一方で転職者全体の平均は+8万円前後で、両者は別の数字です。
Q3. 一番年収が上がりやすい業界はどこですか?
IT・通信が突出しています。次いでメーカー(機械・電気)、商社などです。人材不足とDX需要が背景にあります。
Q4. 40代でも年収を上げられますか?
可能です。ただし二極化しやすく、専門性やマネジメント経験を数字で示せるかが分かれ目になります。
Q5. 年収を上げるために最初にやるべきことは?
自分の市場価値のリサーチです。同じ経歴の求人を10件ほど見て、相場とのギャップを把握することから始めましょう。