結論:退職前の準備で「もらえるお金」と「手間」が変わる
退職は、辞めると決めてからが本番です。在職中にやるべき準備を怠ると、もらえるはずのお金を取りこぼし、辞めた後の手続きで無駄に苦労します。
特に差が出るのが、有給の消化、ボーナスや退職金、そして会社から受け取る書類です。これらは在職中にしか確認・調整できません。
逆に言えば、辞める前にこのチェックリストを押さえておくだけで、数十万円単位の差が出ることもある。難しいことはありません。順番に確認していきましょう。
お金まわりで在職中にやること
まずはお金の取りこぼしを防ぎます。確認すべきは次の通りです。
- 有給休暇の残日数(消化して退職するのが基本)
- ボーナスの支給日と支給条件(受け取ってから辞めるか)
- 退職金の有無と金額(就業規則・退職金規程を確認)
- 未払い残業代がないか
- 住民税の納付方法(退職月により一括徴収になることも)
ボーナスは「支給日に在籍していること」が条件の会社が多く、退職日の設定で受け取れるかどうかが変わります。支給日と退職日の関係はボーナスをもらってから辞めるのはアリ?最適な退職タイミングで詳しく解説しています。退職金は規程で「勤続◯年以上」と条件が決まっていることもあるため、必ず確認しましょう。
有給休暇の残日数を必ず確認する
意外と取りこぼしが多いのが有給です。
退職時、残っている有給はまとめて消化するのが基本。会社は退職者の有給消化を拒否できません。たとえば20日残っていれば、最終出社日の後に20日分の有給を当てて、その分の給与をもらいながら退職日を迎えられます。
確認することはシンプルです。
- 現時点の有給残日数を給与明細や勤怠システムで確認する
- 退職日から逆算して、消化スケジュールを上司とすり合わせる
- 引き継ぎ完了と有給消化の両立を計画する
「引き継ぎがあるから消化させない」は、法律上通りません。もし拒否されたら、対処法は退職時に有給は全部消化できる?拒否されたときの対処法を参考にしてください。

会社から受け取る書類リスト
退職後の手続きに必要な書類は、会社から受け取ります。もらい忘れると後で取り寄せる手間がかかるので、リスト化しておきましょう。
- 離職票(失業保険の申請に必須。退職後に郵送されることが多い)
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票(転職先での年末調整や確定申告に必要)
- 健康保険資格喪失証明書(国保加入などに必要)
- 年金手帳または基礎年金番号通知書(会社が預かっている場合)
- 退職証明書(必要に応じて発行を依頼)
離職票は退職後に届くため、いつ・どのように送られるかを退職前に確認しておくと安心です。これらの書類は、退職後の社会保険や失業保険の手続きで使います。手続きの流れは退職後の手続き一覧|健康保険・年金・失業保険でやることにまとめています。
在職中にしか通りにくい手続き
会社員という肩書きは、思っている以上に「信用」として機能します。退職して無職や自営になると、審査が通りにくくなる手続きがあります。在職中に済ませておきましょう。
- クレジットカードの作成・更新
- 住宅ローン・自動車ローンなど各種ローンの契約
- 賃貸物件の契約・引っ越し
特に住宅ローンは、安定収入のある在職中が圧倒的に有利です。退職や転職の直後だと、勤続年数の条件で審査が厳しくなります。近い将来これらの予定があるなら、退職前に動くのが鉄則です。

退職前チェックリストまとめ
ここまでを一覧にしておきます。退職を決めたら、上から順に確認してください。
- 有給休暇の残日数を確認し、消化計画を立てる
- ボーナスの支給日・条件を確認する
- 退職金の有無と金額、受給条件を確認する
- 未払い残業代がないか確認する
- 会社から受け取る書類(離職票など6点)をリスト化する
- クレカ・ローン・賃貸契約は在職中に済ませる
- 住民税の納付方法を確認する
- 私物の整理と貸与品の返却準備
これらを在職中にクリアしておけば、退職後にやることは公的手続きだけになります。
まとめ:辞める前の30分が、辞めた後を楽にする
退職前の準備は、時間にすればほんの30分の確認作業です。でも、その有無で「もらえるお金」と「辞めた後の手間」が大きく変わります。
特に、有給消化・ボーナス・退職金・各種書類は、在職中にしか動かせません。辞めると決めた今だからこそ、冷静にチェックリストを潰していきましょう。
準備が整えば、退職日は「不安なゴール」ではなく「すっきりした区切り」になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 退職前に必ず確認すべきお金は何ですか?
有給休暇の残日数、ボーナスの支給日と条件、退職金の有無と金額、未払い残業代の4つです。これらは在職中にしか確認・調整できず、退職日の設定で受け取れる額が変わることもあります。
Q2. 会社から受け取る書類は何がありますか?
離職票、雇用保険被保険者証、源泉徴収票、健康保険資格喪失証明書、年金手帳(または基礎年金番号通知書)、退職証明書です。離職票は退職後に郵送されることが多いので、送付方法を確認しておきましょう。
Q3. クレジットカードやローンは退職後でも作れますか?
作りにくくなります。会社員という安定収入は審査で有利に働くため、クレカの更新や住宅ローン・自動車ローン、賃貸契約は在職中に済ませるのが鉄則です。
Q4. 有給は全部使ってから辞められますか?
原則として使えます。会社は退職者の有給消化を拒否できません。残日数を確認し、退職日から逆算して消化スケジュールを上司とすり合わせましょう。
Q5. 退職金はもらえますか?
退職金制度がある会社で、規程の条件(勤続年数など)を満たせばもらえます。退職金規程や就業規則で金額と受給条件を必ず確認してください。制度がない会社もあります。